Archive for the 'Back Home (Scotland)' Category

スコットランドFAQ – 番外編

Maratさんという方から質問をいただきました。

こんにちは。
スコットランドに留学しようと考えている者です。

質問なのですが、エッセイによるとスコットランド訛りは
好感度が高く、評判がいいとのことですが、それはスコットランドの
どの地方の訛りを意味しているのでしょうか?

また、スコットランドの地方それぞれの訛りの特徴は
どのような感じなのでしょうか?

ご教授お願いします。

ご質問にあるエッセイというのはこちらですね。

エッセイ・ふだん着のスコットランド
5章 スコットランド人って何だ? ~ 標準スコットランド弁

方言が特定の印象を喚起される、というのは日本語でもありますよね。例えば大阪弁を聞くと自動的に吉本芸人とか大阪のおばちゃんとかいったステレオタイプのイメージが喚起されて、なんとなく「大阪弁をしゃべる人」=「がさつ」といった先入観がついつい入ってしまう、でも同じ関西方言でも京都弁の場合はおっとりと上品なイメージがある、という具合。英国内のアクセントについても同じように無意識に固定されたイメージがあるようです。さらに英国では階級によるアクセントの違いというのもあって、いわゆるオックスブリッジアクセントや「クイーンズイングリッシュ」は一般大衆にとっては「上品で知的」ではなく逆に「すまし返って偉そうな感じ」といったネガティブな印象を与えることもあります。で、各種アクセントについて人々がどんな印象を受けるかという研究調査を行ったところ、スコットランド訛りの人からは「温かみがあって信用できそうな印象」を受けるという結果が出たのだそうです。この結果については、特にスコットランド内のどのアクセントという厳密な区分はしていないようです。確かにひとくちにスコットランド訛りといっても地域や階層によりいろいろなアクセントがあります。が、平均的、標準的な、あまり地方色の強くないスコットランド訛り、というものは存在します。

BBC Scotlandのニュースキャスターの例


政治家の例

温かくて信頼できる感じ、するでしょうか?

スコットランド方言全体に当てはまる特徴については以下のページも参照してください。
http://en.wikipedia.org/wiki/Scottish_English
(英語ページ)
※日本語ページもありますが(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%B3%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E8%8B%B1%E8%AA%9E)、今のところ書きかけ状態で、英語版ほど詳しくありません。

次にスコットランドの地方それぞれの訛りの特徴ですが、言葉で説明するのも難しいので、例を拾ってみます。違いがわかるでしょうか?

ただし、同じ地域の出身の人でも階級差によるアクセントの違いや世代間での違いが存在し、また上記の例も知人同士の会話を録音しただけの非常に聞きにくいものと、カメラを意識してわかりやすく話しているものが混在していますので、この地方では誰もがこのように話しているということではありません。あくまで参考例ということで。

Stranraer: 南西部

Glasgow: 西部

Edinburgh: 南東部

Fife: 東部

Dundee: 中部

Aberdeen: 北東部

Highlands: 北西部

なお、最初のStranraerの人の話は私もさっぱりわからないです(苦笑)。
EdinburghとHighlandsの若い人の録音は聞きやすいと思います。ちなみにEdinburghの人は「グラスゴーの不良少年の話し方の真似」というビデオも作っていて(http://www.youtube.com/watch?v=ewo0HwyND-c)、こちらは同じ人が普通に話しているビデオに比べて格段にわかりにくいと思います。比べてみてください。(でも本人はグラスゴー訛りをまねしたつもりでもやっぱりエディンバラ訛りの不良少年になってる・・・(笑)。)
個人的には、Fifeのヒゲのおじさんの話し方は前のダンナのお父さんの話し方とすごく似ていてとても懐かしく感じました。

Susan Boyle’s dream hits the road – 夢やぶれた後

昨日のスコッツマン紙のニュースフィードより。
Susan Boyle’s dream hits the road

前回の「スコットランドニュース」を書いていてふと、「そういやここ2ヶ月ほど世界中でいちばん注目を浴びていたスコットランド関連ニュースを取り上げていなかったな」と思い出しました。と言うわけで、スーザン・ボイルです。

まあ日本でもNHKを含めマスコミに大々的に取り上げられてますので、今さら紹介するまでもありませんね。この人です。

(日本語字幕つきバージョン)

英国の民放ネットワークITVの Britain’s Got Talent というタレント発掘番組の第3シリーズに登場したスコットランド人女性。グラスゴーオーディションで見た目からは想像もつかない美しい歌声で観客を沸かせ、その様子を収録した4月11日放映の番組は1000万人の視聴者を集めました。そのビデオがYouTubeに掲載されると今度は話題は世界中に飛び火。アメリカのテレビで取り上げられるまでに至って日本でも話題となりました。

ファイナルが近づくにつれて騒ぎはますます大きくなり、ホテルでからかわれて怒鳴り合いを演じて警察が出動する羽目になるなど、彼女の周囲はぴりぴりした状況に。

そんなプレッシャーもあってか、5月30日に放送されたファイナルでは感動のオーディションと同曲を歌うもダンスグループに優勝をさらわれて第2位。決勝直後にYouTubeにアップロードされた「スーザンに1票を」と呼びかけるビデオにライバルグループへの投票用電話番号が表示されるというハプニングがあったことから、これが敗因で本来ならもっと票を集めたはずではないかとの声も上がったそうですが、結果が発表されるとスーザンは優勝グループを「いちばん良かったから勝った」と祝福。しかしその後の舞台裏や宿泊先ではパニック症状から手をつけられないほどの錯乱状態を見せて、私営精神病院で芸能人の中毒治療などでも有名な「ザ・プライオリー」に緊急入院という結果になりました。病院は「過労の治療」と説明。しかしスーザンが出生時の酸素欠乏から学習障害があり子供の頃はいじめにあっていたことなども取りざたされて、番組制作側が出場者のサポートなどをきちんと行っていないのではとの批判が高まり、政府も調査を指示するほどに。一方番組審査員のアマンダ・ホールデンは「マスコミがあることないこと書き立てて大騒ぎするからストレスに耐えられなくなっただけ」と反論。いずれにせよ数日でスーザンも落ち着き、5日の入院後退院し、スコットランドの自宅に戻りました。

「夢やぶれて」という歌で世界にその名と歌声を知られるようになったスーザン・ボイル。皮肉にも優勝の夢はその通りやぶれる結果になったものの、元気を取り戻して Britain’s Got Talentライブツアーのリハーサルに参加した、というのが今回の記事でした。それとは別にアメリカなどからも出演オファーは引きもきらず、番組審査員の一人で辣腕音楽プロデューサーとしても知られるサイモン・コーウェル(と日本では呼ばれてるようですね。実際の発音はカウェルなんだけど)がレコード契約を結びたがっているという話もあり、「エレイン・ペイジくらい有名な歌手になりたい」という夢はしっかりかないそうな様子です。

おまけ:
スコットランド訛りを聞くのが好きで・・・という人もいるようなので、スコットランドのテレビが行ったスーザンのインタビュー。

SNP secures first euro poll victory – ナショナリズムの形

今日のスコッツマン紙のニュースフィードより。
SNP secures first euro poll victory

最近私の周囲を見ると、今月下旬の東京都議選告示を前に、選挙運動がすでに幕を切っているようです。国政面でもいつ解散総選挙になるかもわからないということで、すでに各党は準備を進めている様子。候補者の手伝いをしているサル友などもいて、Mixi日記にも選挙関連の話が出てきたり、政治の季節という感じです。

在邦外国人である我が家は誰も選挙権がないので、まあ他人事のようにそれを眺めているのですが・・・。

一方、ヨーロッパでは欧州連合(EU)の加盟国27ヶ国で欧州議会選挙が行われました。
本来なら私にも在外投票権がある選挙なのですが、在外投票人登録が遅れたため間に合わず、投票できませんでした(泣)。登録にはすでに日本に暮らしている英国人に保証人になってもらう必要があるんですが、周囲の知人は日本人とアメリカ人ばかりで、英国人を探すのに思いのほか苦労したのです。

さて、投票しそこなったこの選挙、国によって選挙制度や選挙日として規定している日が違うため投票は数日に渡り、6月4日(木)から7日(日)にかけて、ばらばらと投票が実施されました。英国では選挙の投票は木曜日と決まっています。27ヶ国の中では真っ先に選挙を済ませたものの、開票・結果発表は全ての国で投票が終了してから。じりじり待たされての開票となりました。

多数の国でひとつの議会の選挙を行う欧州議会選挙では、各国での投票は大体においてその国の既成政党に投票し、そうした各国の政党が似たような性格の党同士でグループを形成して「欧州政党」を形成するという形になります。ふたを開けてみると、欧州全体としては中道右派グループである欧州人民民主党(European People’s Party)が267議席で第一党の地位を確保。欧州社会党が大幅に議席を減らし、代わりに右派グループ・政党が議席を伸ばし、全体として右傾化の傾向が浮き彫りになりました。

英国でも国会与党である労働党(欧州社会党グループメンバー)が衝撃の大敗北。得票率を6.9%減らして15.7%に、議席は5議席を失って13議席という結果になりました。この敗北により、ゴードン・ブラウン首相(しつこく言うけどスコットランド人)が退陣を迫られることは必至という状況です。ところが、その失った5議席が国内野党第一党で欧州議会では最初から第一党だった保守党(かつては欧州人民民主党グループだったが袂を分かち、右派新グループ結成を模索中)の懐に転がり込んだのかと思ったらそうではなく、保守党は得票1%増で27.7%、1議席増の25議席にとどまりました。残る4議席の行き先は、国内第三党で中道左派の自由民主党(日本の同名政党とは無関係。欧州自由民主同盟メンバー)が1議席、そして保守党よりさらに右寄りの英独立党(UKIP。欧州議会では反EU・EU懐疑派の独立民主グループのメンバー)に1議席、極右政党である英国民党(BNP)に2議席。UKIPはなんと得票率16.5%で国内与党である労働党を抜かして2位につけ、議席数も労働党と同数という躍進ぶり。また6.2%の票を集めたBNPは初の欧州議席獲得になりました。どちらの党も反EUが党是のひとつで、それが欧州議会で数を伸ばすという皮肉な結果。英国以外でも、欧州主要国では軒並み右派勢力が台頭しています。

この背景には、経済危機による失業者数増加と生活不安から、移民問題に対して強硬策を約束する極右ナショナリスト政党が支持を得たことがあるようです。欧州外からやってきて安い賃金で働く移民労働者のせいで欧州国民が職を失っている、だから移民排斥に力を入れるべき、という論理です。その「移民」のくくりには私も入るわけで、正直言ってちょっと怖い結果です。やっぱり早めに在外投票登録して投票すれば良かった~(たった2票で結果が左右されるわけじゃないけど、やっぱりねえ・・・。日本人の皆さんも、選挙ではちゃんと投票しましょう!)。

さて、ここまでは欧州全体と英国全体の状況だったわけですが、ではスコットランドではどうだったかというと、こちらも労働党が得票率を5.6%減らして20.8%となる大敗北。でも、英国全体では議席を増やした保守党も同じく得票を0.9%減らして16.8%に、また英国全体では第2位に躍進したUKIPもやはり得票1.5%減で5.2%。では勝ち組は?というと、これはスコットランド議会の与党であるスコットランド国民党(SNP)。得票率を9.4%増やして29.1%とし、議席数こそ前回と変わらないものの史上初めて欧州選挙で労働党を抜いて得票数第1位の地位を確保するという結果になりました。

一見するとナショナリスト政党の躍進は欧州全体の流れと一緒でしょ、とひとくくりにされてしまいそうですが、SNPはナショナリスト政党といっても政策的には中道左派政党。欧州議会でも中道左派の欧州緑の党・自由同盟に所属。スコットランドでは「労働党よりも左寄り」と目される場面も多い政党です。その政策は、「英国と袂を分かち、独立国としてEUに参加して欧州内での発言権を確保する」という親EU路線。スコットランドの政治的傾向はやはり英国全体・欧州全体とはかなり違う様相を示すという結果になりました。SNP党首でスコットランド議会首相のアレックス・サーモンドは、これで国民からお墨付きを得た格好。スコットランド独立という党是に国民過半数の支持を得られるまでにはまだまだ遠い結果ではあるものの、スコットランド議会での采配に自信を深めたことは間違いありません。

この次のスコットランド議会選挙は2011年。その頃には我が家はまだ日本にいる予定。スコットランド議会選挙はスコットランドに住んでいないと投票できないため残念ながら私は傍観するしかありませんが、この調子で行くとSNPがさらに足場を固める可能性は強そう。一方英国総選挙は2010年の予定(その前に解散する可能性もあるけど)。こちらでもスコットランドでの投票傾向がどう動くか気になるところです(こっちはうちもちゃんと在外投票できるしね♪)。

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