Archive for November, 2008
Labour defy odds in Glenrothes ・・・もうひとつの選挙
Published 09/11/08 Back Home (Scotland) , Posts in Japanese , スコットランドニュース Leave a CommentTags: スコットランドニュース
スコッツマン紙の見出し。
Labour defy odds in Glenrothes
11月4日の米国大統領選挙でバラック・オバマが当選し、8年ぶりの民主党政権奪回、そしてアメリカ初の黒人大統領誕生となりました。この選挙は世界でも注目を集め、結果が報道されると各国から祝いの声が寄せられましたが、実はその2日後、スコットランドでは同じくらい(?)注目を集める選挙が行われました。ウェストミンスター議会グレンロセズ選挙区の補欠選挙です。この選挙区は労働党のジョン・マクドゥガル議員の議席でしたが、今年8月に議員が死去したことにより空席となっていました。選挙が行われたのが3ヶ月近く後になったのは、補欠選挙日程決定権を持っていた労働党の意向によるもので、9月の労組や政党の年次総会シーズンを避けるためでした。またアメリカ大統領選挙と同じ週に日程を設定したのも故意ではないかとの声もありました。もし敗北した場合に「労働党、また敗北」のニュースが大統領選挙という大ニュースの影に隠れて目立たないようにとの配慮だったのではないかというのです。
というのはこの選挙、場所が悪い。グレンロセズ選挙区というのはブラウン英国首相の議席の隣り、いわば裏庭に当たる位置にあります。もともとは炭鉱の町で、昔からの労働党の大票田。2005年の総選挙では、マクドゥガル議員は次位候補に倍以上の大差をつけて当選しています。本来なら労働党としては何の心配もしなくていい議席だったのですが、今年はそう安心していられません。スコットランド議会はすでにSNP(スコットランド国民党)が労働党から政権を奪い、以来意外に支持を堅く維持していますし、一方ブラウン政権は大不評。今年の夏には同じく労働党の大票田だったはずのグラスゴー・イースト議席をSNPに奪われるという考えられない事態も起きていて(くわしくはこちらを参照)、「グラスゴー・イーストが転ぶなら、他のどこが転んでも不思議はない」という認識がありました。実際、この補欠選挙に関する世論調査でもSNP支持の声は大きく、スコットランド労働党にとってはこの選挙、負ける覚悟で挑む戦いだったのです。しかし裏庭を奪われたとなるとブラウン首相の方にも指導力を問う批判の矢が向かうことは必至なので、この補欠選挙はスコットランド労働党だけでなく、英国政治全体にも影響する可能性があると注目されていました。「大ニュースの影に悪いニュースを隠そうというつもり」との声が上がったのもそのせいです。
ところが、10月に入ってこの情勢を一気に転じる大きな事件が起きました。世界金融危機です。もともとは昨年から明るみに出た米国のサブプライムローン問題に端を発するこの金融危機、すでに英国でも去年のノーザン・ロック銀行の信用危機と政府による救済など、米国以外の国にも他人の話ではないことはわかっていましたが、今年10月にはニューヨーク市場大暴落が起き、世界を震撼させる大危機に発展しました。米国ではこの金融危機がブッシュ政権批判に結びつき、変革を訴えるオバマ候補の追い風になって選挙戦の行方を決定したとの見方が一般的ですが、この同じ金融危機が、グレンロセズ補欠選でも大きな影響を及ぼしました。
SNPにとって決定的な痛手となったのは、アイスランドの国家財政破綻のニュースでした。そもそもSNPはスコットランド独立を党是に掲げる政党。スコットランド議会では政権党としていろいろ国政政策もあるわけですが、常に話題になるのは「スコットランド独立に関する国民投票をいつやるのか?」という問題です。SNPは次回のスコットランド議会選挙が行われる2011年までに国民投票を実施するとの計画で、現在それに向けて「国民との対話」プロジェクトを展開中です。その際、「欧州でも強い発言権を持つ大国からわざわざ分離して小国になるなんて無謀」という独立反対意見に対してSNPが挙げていたのが”Arc of Prosperity”、つまり「繁栄の円弧」の例でした。「繁栄の円弧」とは、北ヨーロッパの端を弧を描いて取り囲むように位置する小国群のことで、小国でありながら欧州内でも有数の富裕国であることから、「スコットランドも独立してこの弧に加わろう」と訴えたわけです。この円弧を現在形成している国というのが西のアイルランド、北のノルウェー、そしてアイスランドなのでした。アイルランドの人口は600万弱、ノルウェーは480万程度、そしてアイスランドはわずか30万強。地理的にも近いこれらの国にできて人口500万強のスコットランドにできないことはない、というのがその主張です。中でも人口はひとケタ少ないながら世界トップクラスのGDPを誇るアイスランドの存在は、説得力があったのです。
ところが今回の金融危機により、その独立小国の輝ける星、アイスランドの経済の知られざる脆弱性があらわになりました。アイスランドは金融立国とも言われ、金融部門がGDPに占める割合が多かったのですが、実はこの金融部門が得ていた富の多くが海外からの預金によるものであり、米国発の金融危機を引き金に預金の引き上げが始まると、銀行はあっという間に信用破綻の危機に直面してしまい、小国アイスランドの限られた国庫では救済もままならない状態に陥ってしまったのです。おまけにこのあおりを食い、アイスランドのオンラインバンクを利用していた英国ユーザーも被害を被るという事態になってアイスランドと英国の関係は一気に冷え込み、アイスランドは輝ける星から「やっぱり小国はダメだ」と指差される存在に転落してしまったのでした。”Arc of Prosperity”(繁栄の円弧)どころか”Arc of Bankrupsy”(国家倒産の円弧)だと揶揄されるに至って、補欠選挙直前の世論調査では「スコットランド独立支持下落」の結果が報道され、SNPは一気に苦しい戦いを強いられることになりました。
そんな背景の中で投票日を迎えた補欠選挙は、蓋を開けてみれば労働党候補が7000票近い差をつけて議席を守るという結果になりました。裏庭を奪われずに済んだブラウン首相も一安心。「風が吹けば桶屋が儲かる」なんてことわざがありますが、オバマ氏を勝利に導いた金融危機の追い風は、英国ではブラウン首相を守る神風になったようです。今後米国が新大統領を迎え、経済再建に着手するわけですが、世界経済の動きに応じてスコットランドの政治情勢がどうなるかが注目されます。
東京散歩:赤坂~早稲田~目白
Published 07/11/08 Here and Now (Japan) , Posts in Japanese , 東京散歩 2 CommentsTags: 東京散歩
科学技術もずいぶん進んだだろうに、日本の天気予報はいまひとつ正確さに欠けるようです。晴れると言っては曇ったり、降るはずなのに晴れたり。今日は「雨のち曇り」のはずだったのに、雨は朝には上がってしまい、ピーカンの秋空。私の仕事部屋は日当たり良好南向きで、こういう日にはぐんぐん室温が上がってけっこう暑くなります。すると私もなんだか落ち着かない。で、仕事は夜やることにして散歩に出ました。フリーランスはこういうところがいいですよね。
昨日の夜は踊りに行った後マッサージに寄って帰りました。そんなにひどく凝っている実感はまだない段階で行ったのですが、やっぱりマッサージしてもらうとがちがち。さて、サルサの知り合いのひとりでオプセラピーという上部頸椎カイロ系のセラピストをやっている人がいて、肩こりに悩むサルサ友達に「受けてみるといいよ」と勧められています。いちど試してみようかなと思うのですが、開業しているのは豊島区、目白の方だそう。なんだか遠そうだなあと思っていましたが、東京都区内地図を見たら早稲田からそれほど遠くない感じ。早稲田までは以前からいちど散歩してみたいと思っていました。このくらいの距離ならセラピーを受けた後散歩して帰るというのも可能かな?と思い、じゃあ早稲田への散歩ついでにここの下見もしようということで、勝手ながらオプセラピー研究所を散歩のゴールに設定しました。
家を出たのは2:30すぎ。雲ひとつない天気で暖かめの、立冬とは名ばかりの気持ちのよい散歩日和です。が、歩き始めると今ひとつ体が重くて足が軽快に進まない。そういえばここのところ睡眠不足で、今朝も起きるのがけっこうつらかったんだよなあと思い出しました。やっぱ目白は無理か?と思いつつも先へ。皇居方面に向かうか、赤坂御用地方面から攻めるか、迷いながらまずはアークヒルズの方へ向かいました。首都高の下を歩くのは気分が良くないので、適当なところから脇道に入り適当に進んでみると、いきなり赤坂サカスの前に出ました。そうか、このルートが近道だなと頭の中にメモをしようとして、サカスの近くで開催されてた人気の月例サルサイベントが中止になってしまったことを思い出し、ちょっとへこみました。が、気を取り直して前進。歩いているとなんかちょっと脳貧血気味かなあという感覚もあって、やっぱり疲れていると実感。ともあれ御用地の方から四谷を目指すことにします。ところが見当を誤ってしまい、さらには木陰の長い階段にふらふら惹かれて(何とかと煙は高いところに昇る)道から逸れたりしているうちに、紀尾井町の文芸春秋の前に出てしまいました。実は私、ものすごい方向音痴です。街頭の地図で方向修正し、なんとか四谷駅に出ました。
中央線沿線は、私にはほとんど何もわからないエリア。このあたりに外濠があるというのも今まで知りませんでした。溜池というのも外濠の一部だったんだそうですね。いちど外濠沿いにぐるっと東京を歩くのも面白いかなあなどとバカなことを思いつつ(外濠はほぼ千代田区全域の外周に当たるというからけっこうな長さ)、外濠沿いに市ヶ谷駅へ。もうちょっと外濠沿いに進んでもいいかなあとチラッと思いましたが、遠回りになるのでここで左折。牛込経由で早稲田方面に出る、という漠然としたルートを想定していたのですが、途中道路工事で迂回になっているところがあり、ここを迂回した時点で方向感覚がめちゃくちゃに。市谷砂土原町、払方町などという住居表示を見つつ、「この辺は町名変更をせず、昔からの町名がそのまま使われるんだなあ」などとのんきに感心しながらも、完全に道に迷いながら適当にうろうろ。低層のマンションに混じってでかい豪邸が並ぶ閑静なエリア。たまにすれ違う人はなぜか欧米人が多い。ここは新宿区の麻布・広尾?あんまりうろうろ迷ってると散歩が時間切れになるなーとちょっと心配しつつも適当に歩いていると、牛込中央通りなる道に出ました。その先に、まっすぐ行くと大久保通り、その先さらに行くと早稲田通りとの表示。とりあえず方向だけはわかって一安心し、大久保通りに向かって歩きました。途中「夕焼け小焼け」のオルゴール音が聞こえてきました。例の防災無線試験用音楽です。あれっまだ5時にはなってないはずなのにと時計を見ると4時半。新宿区では放送する時間が違うんですね(実は夏と冬で時間を変えているのだそう)。音もよく聞くと港区のとはちょっと違うし、こちらは途中でカエルに浮気せず、最後までちゃんとカラスと一緒に帰ってました。この牛込中央通りには、ハイブリッドエコ街灯(だったかな)なるものを設置したばかりとかで、通りにずらっと「祝」の旗がかけられていました。ハイブリッドというのは風力と太陽光発電を組み合わせてるんだそうな。大久保通りを越え、早稲田通りにたどり着きました。
早稲田通りはけっこう車の通りが多いので、どこか脇道に入ろうかとも思いましたが、また迷うといやなので道なりに前進。すぐ
大学のあたりに出るだろうしと思っていたのですが、意外となかなか着きません。でもこの道でいいはずなんだけどとひたすら歩いていると、やっと正面に穴八幡が見えてきました。学生時代はここの古書市に行ったものです。ここからは本部キャンパスの方に行くルートになんですが、文学部キャンパスのメタセコイア並木を見たくなってちょっと寄り道。学生に混じって久しぶりに坂道を上りました。メタセコイアはまだ青々としています。私の記憶だと、早稲田祭の頃には紅葉が始まっていたような気がするのですが・・・。そういえば早稲田通りのイチョウも当時は早稲田祭の頃に色づき始めてたと思うんですが、最近は都内のイチョウの黄葉は12月だとか。やっぱり温暖化してるんですねー。坂の右側にはプレハブの建物。坂の上も一見すると以前と変わらないように見えますが、プールの横にカフェテリアができていたり(そういえばプレハブ棟が立っているところには以前学食があった気がする)、図書館のあたりも変わっています(そもそも私の在学中は「図書館」ではなく「図書室」だった)。かつての学食のメニューに比べるとえらく充実しているカフェテリアのメニューを眺めてから本部キャンパスへ。私は学生時代、本部キャンパスというと図書館と生協以外にはほとんど用がなかったので、本部キャンパスの方に行くことがあまりありませんでした。だから大隈講堂を見るといつも「早稲田に来た!」となんとなく気が浮き立ったものでした。今回も大隈講堂を見ると「わー早稲田だ」とトキメキました。しかし大隈講堂周辺も本部キャンパス正門周辺も、やっぱりずいぶん変わっているようでした。ちょっとキャンパス散策などもしたくなりましたが、だいぶ暗くなってきたので大学施設のトイレを借りただけで、散歩を継続。キャンパスの裏に回って新目白通りに出ました。大学時代はまったく遣ったことのない道ですが、ここには都電荒川線の早稲田駅があります。荒川線は学生時代に友達が沿線に住んでいて、泊りがけで遊びに行った時にいちど利用したことがあります。そういえば「都電で昔懐かしい東京の面影を訪ねる旅」なんてのが雑誌で紹介されてたなあと思い出し、乗ってしまおうかと考えましたが、「路線沿いにあるくなら見えるものも車窓からの風景とかわんないじゃん」と思い直し、そのまま散歩を継続。どっちみち沿線の風景ももこのあたりじゃ昔懐かしくもなんともないんですよね。
都電の線路は面影橋を過ぎてしばらくすると、新目白通りからはずれて右折します。それに合わせて私も曲がると、入った道は明治通り。えっ明治通りってこのあたりを通るんだとびっくり。なんかどこに行っても明治通りに出会っている気がする・・・。いちど明治通りをずーっと歩くという散歩をやってみようかな、でも交通量が多いから気持ちのいい散歩じゃないなあなどとバカなことを考えながら(明治通り全周の長さは外濠の比ではない)歩いていると、頭上を道路が横切っています。階段を駆け上って上がると、そこが目白通り。下見に来たオプセラピー研究所は、右折してちょっと行ったところにありました。でも予約してるわけじゃないので、今回は外から見るだけ。そういえば歩き始めた時はバテバテだったはずなのに、いつの間にかすっかり元気。往復歩けないこともないんじゃないかなあと思いましたが(すぐこうやって調子に乗る)、夕ご飯の時間に間に合わなくなってしまうのであきらめ、電車で帰ることに。近くには地下鉄副都心線の雑司が谷駅の出口があるんだそうですが、その時は知らなかったので回れ右して学習院方面へ。目白駅で山手線に乗り、代々木で大江戸線に乗り換えて家に帰りました。歩いた距離は途中けっこう迷ったため正確にはわかりませんが、たぶん12kmちょっとくらい。散歩ってこのくらいの距離がいちばんいいのかな。セラピーに行くとしたら、その時は行きは地下鉄で帰りは違うルートを歩いてみようと思いました。